43歳から医学部受験をスタートさせた先輩の話


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最近のこと。大学の先輩から「俺、43歳だけど再受験しようと思うんだ。どう思う?」という相談をうけた。自分が大学1年のとき大学院生だった先輩だからかなり年上だ。

 

43歳から過酷な受験勉強をがんばろうという心意気に感激して

「再スタートに遅すぎるということはありません。ぜひ頑張ってください!」

という返答をしたが、本当にあの言葉でよかったのかわからなくなってきた。

 

自分が再受験をスタートさせたのが20代後半。それでも約10年経っているからハンデが重かった。致命的なのは計算力。普段仕事でエクセルばかり使っていたから掛け算ですらあやうくなっていた。

 

英語は企業でも勉強していたからいいとして、他は0からのスタートに逆戻りだった。10代のころとくらべて記憶力や暗記力は格段に落ちていた。

 

10代のころ、授業で解説されたものは写真のように頭に吸収されていったので復習がいらなかったが、歳をとるといくら説明を聞いても頭になかなか残らないようになっていた。

 

体力も落ちていたし、集中力も落ちていた。ただあったとすれば、背水の陣で臨んでいるという尋常じゃない覚悟と精神力だけだった。

 

43歳となると、体力も記憶力も、いろんなものがさらに落ちているだろう。受験からすでに20年たっている。いったいどこまでできるんだろう。0からのスタート、いやむしろマイナスからのスタートかもしれない。

 

 なにより家族はどうするんだろう。たしか子供もいたはず。仕事は?

後からきいたらどうやら離婚をきっかけに、なにか思うところがあったみたいだ。


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 43歳から再受験をスタートさせたとして、考えられるデメリットをいくつかあげてみた。まず、受験できる大学がかなり限られるだろう。40代というのは大学側も敬遠しがちだ。

 

自分の大学にも30代は2割弱はいたが、40代となるとちょっとめずらしい存在だった。全学年で1人いるくらいか。たしか女の人だった。でも経歴はすばらしく、元国連職員だったとか。

 

合格するまでに2~3年かかるから入学時に45歳になっている。とすると、卒業時が51歳。51歳って世の中の人たちは、もうすぐリタイヤを考える歳なのじゃないだろうか。

 

医師国家試験はかなりの勉強量をこなさなければならない。体力的にはかなり厳しいだろう。研修医もかなりきつい。51歳でも元気なひとはたくさんいるので本人の能力次第。だけど歳下の指導医たちに冷遇されるのは覚悟しておかなければならない。

 

研修終わって53歳。専門医取れるのが55~56歳。65歳が定年とすれば10年は働ける。ここで世間的によく言われるのが医師を育てるために1億かかるのに、10年は短いという批判。

 

医師には定年がないからやろうと思えば80まで働けるし、成績がいいだけで入ってきた女子は結婚を機にやめたりもするから一概に批判はできない。

 

合格すれば厳しいかもしれないけど、細い道はひらけるだろう。過疎地域なんかは医者の需要はまだある。

 

悲惨なのは合格しなかったときだ。45歳からの就職活動は大丈夫なのだろうか。まぁ40歳でも転職する人はいるから、仕事を選ばなければ大丈夫かもしれない。

 

自己顕示欲を満たせる仕事はのこっていないだろうけど。。。

 

辛かった医学部受験、医学部生活、そして医師になってからもきつい毎日を振り返ると、先輩へもっと厳しい忠告をするのが本当の優しさだったのかもしれない、と悶々としている。

 

人間諦めたほうがいいこともある。夢を見ないほうが楽で幸せなこともある。51歳で医師になっても24歳で医師になった人と比べると相当な時間のロスだ。

 

苦労するのは目に見えている。その苦労はいざ目の前にやってきてはじめてわかる。夢見る時は苦労も喜びに見えてしまう。

 

デメリットは数あれど、メリットはなかなか見当たらない。当人の自己満足くらいかもしれない。

 

でも人生は1回だけ。その人の人生だから余計な口出しはしたくない。いつ死ぬかわからないのだから、やりたいことはチャレンジしてみるべきだ。

 

自分も再受験を決意したときはそう思って会社をやめた。決意するまでに1年かかったけど、このまま人生あきらめるより、失敗してもやり遂げてからあきらめた方がマシだと思った。

 

そんな自分が医師になってどう思ったか。

「チャレンジして、よかった」

医者になったからといって特段幸せになったわけでもないし、お金持ちになったわけじゃない。むしろストレスが増えて毎日きつい。だけど、素直にそう思う。

 

先輩は1年目、夢をかなえることはできなかった。2年目も頑張っている。もし合格できたら奇跡に近い。お祝いできる日を自分も待ち望んでいる。


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