photo by pakutaso
「このまま人生終わるのかなぁ~」「医師になって感謝される,やりがいのある職業につきたいなぁ~」
医学部再受験を考える人は、ある日を境にこのように悶々としはじめるでしょう。
しかし医学部は今やどこも最難関といっていいほど入りにくい学部です。また再受験という特殊な道は、いくつになっても 転職 があたりまえのアメリカと比べたら日本ではまだまだ日の当たらない道かもしれません。
そこで、医学部再受験を始めるにあたって確認すべき5つのポイントを紹介します。
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親または配偶者の理解を得られるか 協力を得られるか
再受験をするにあたっては最も重要なポイントになります。医学部に入学したら収入が0になるわけですから、お金のバックアップをしてくれる人が必要になります。また、周囲に反対されながら勉強を続けるのはとても辛いものです。
ご両親と配偶者にまず相談してみてください。そして「人生、好きなようにやれ!やりたいだけやっていい!応援するから!」と力強いことばをもらうまでは、どうして医学部に行きたいかをとことん理解してもらう必要があります。
再受験中と医学部入学後の生活費、学費を確保できるか
受験勉強を仕事と両立する人は毎月のサラリーがありますので生活費に困らないでしょう。しかし予備校生、宅浪を選択した方は予備校代で年約50-60万円、そして参考書代や模試代、飲食代、気晴らしなどで月3-5万は必要です。
あくまでもこれは実家にもどって受験生をするか、生活費は配偶者が負担してくれるときです。一人暮らしで生活しながら受験生活を送るなら、プラスαで家賃や光熱費も考えてください。
1年で合格できれば立派です。しかし一度社会人になってから勉強を開始して、1年で医学部合格基準までいく人はごくごく稀です。最低2年分、もしくは3年分のお金を用意する必要があります。
受験期間が2年として、予備校生は240万。宅浪は120万程度の資金が必要になります。
医学部に合格した後は奨学金などをもらうことができますが、生活費や教科書代、実習費もろもろで奨学金は消えていきますので、学費はあらかじめ確保しておきましょう。
国立大で60万×6年で360万円必要です。私立大を視野にいれるなら・・・お金は4000万必要でしょう・・・これはもう個人の力の話ではないですね。スポンサーを探しましょう。
学費と生活費をあわせて、最低でも600万のお金を確保できるかどうか。貯金はあるでしょうか。情けないかもしれませんが、親が学費を出してくれると言ってくれることは結構ある思います。
医師になれば学費の360万は返金できますので、遠慮せず支援をお願いしてみましょう。
何年間医学部再受験に挑戦するのか
合格するまで永久に挑戦するんだ!と意気込んで勉強を始める人もたくさんいますが、その気力も資金がなくなり、年数がたつうちに段々と消えていくものです。
何年挑戦したら医学部をあきらめるのか、つらいですが考えておいたほうがよいでしょう。
オススメは、3年間、つまり挑戦は3回まで、という設定です。3年間は、高校3年分とおなじです。医学部に合格するような優秀な高校生は3年間で部活もしながら、勉強もしながら、医学部に現役で合格します。
再受験生は3年間のすべての労力を受験勉強にささげるのですから、それで合格できなかったら才能がないとあきらめるのも一つの手です。
実際、確かなデータはありませんが、東大京大出身は1年間で楽々合格しているイメージがあります。かかっても2年です。地方旧帝大出身で優秀な人は2年で合格を決めます。かかっても3年です。
しかし有名大学出身でない人でも4年間宅浪して琉球大医学部に合格した人を知っています。レアケースは必ずあるものなので、お金と相談して決めましょう。
再受験に失敗したらどうするか
まだ学生のうちに医学部をあきらめきれなくて、学校を休学して再受験に挑戦する人は失敗したらまた学生に戻ればいいでしょう。
しかし社会人になって再受験に失敗すると、後でいばらの道がまっていると思っても過言ではありません。
仕事を続けながら受験するというのも一つの手です。その場合はわりと時間の融通の効く営業職に変わるなり、5時に帰れる部署にうつるなり、転職するなりが必要かもしれませんが、受験に失敗したら会社員としてまた生きればいいでしょう。
しかし一度会社をやめると再就職するときに3年の月日が流れています。自分はいわゆる有名大企業を退職して再受験にのぞみましたが、もし失敗していたら再就職はおそらく派遣社員か、福利厚生の不安定なところか、引きこもりか、選択肢はものすごく限られたでしょう。
受験に失敗してお勧めなのは医師以外の資格を取ることです。しかしいきなり司法試験にチャレンジするのはもう限界でしょう。
取得しやすい資格、宅建や行政書士をとっても、新卒で入社した会社より条件のいいところがあるかどうかは保証がありません。
現実的なのは、介護職につくことです。介護業界は待遇の悪いイメージからか、離職者が多く、30代、40代の再就職者も少なくありません。
介護初任者研修の資格を取れば就職先はすぐみつかるでしょう。資格は2ヶ月程度で取得でき、そこまで難しくありません。その程度で資格が取れて就職もできる職種はなかなかありません。しかし介護職は医師を連想させ、労働条件は過酷です。給料も一家を養えるほどもらえるかといえば、そうではありません。
再受験を始める前に、失敗したらどの道に進みなおすのが妥当か検討してみてください。転職系のサイトを研究して、以前の職業を生かした道を考えておくのも大事です。
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最後に、本当に医学部に行って意味があるのか
医師ときくと、テレビドラマなどから、やりがいがある、かっこいい、高収入、社会的高地位などのプラスイメージがあるかと思いますが、実際そうではありません。
医師になってもそれほど稼げない場合も沢山ありますし、特に歳をとって入っても、稼げるようになる前に体力的に限界が来ることもあります。
医師は私生活を投げ打って過酷な環境で働いています。知的労働よりも肉体労働のほうが多いですし、何より若くないと辛い職業になります。
女医会で「医者は収入が高くても、労働と賃金が割に合わない。うちの子供は絶対に医者にしない」と宣言しているワーキングママが沢山います。
自分の私生活の方を優先させた生活を送りたいなら、医師は勧めません。地方公務員を受けなおした方が賢明です。公務員の友人は私生活、仕事ともに安定している印象を受けます。
以上、今回はポイントを5つに絞ってみました。再受験は生易しくはありませんが5つをクリアできているか、もう一度考えてみてから臨みましょう。