医学部再受験。一時期ブーム到来のように、一度大学を出て医学部を受けなおすことが流行りましたが、現在でもブームは続いているのでしょうか?
東京医科大学の事件のように、浪人生、再受験生が医学部に入学するのは、決して簡単なことではありません。それでも医者になりたい人、何歳までに決断すればよいのか、何歳になったら諦めた方がいいのか、様々な条件から考えてみます。
早く入った方がいいに越したことはない
医学部に入るなら、早ければ早いにこしたことありません。可能なら現役で、浪人しても2浪程度で合格を勝ち取りましょう。
理由は沢山あります。
・医師として成長するには時間がかかる
医学部6年、初期研修医2年、後期研修医3〜6年で医師として活躍できるには最低でも医学部出てから5〜10年はかかってしまいます。
・体力が要る
医学部はハードですし、初期研修医の当直や救急業務、外科研修をこなすには、相当な体力が必要です。できれば20代の体力が欲しいところです。
・退職金がない
医師は退職金がありません。定年がないから死ぬまで働けると言っても、60歳超えてきたら当直もきついし、正直死ぬまできつい仕事をするのは辛いです。若いころから医師として貯金して、早めに引退して優雅に暮らすのも一つの手です。
外科医になりたい人
外科医として活躍したい人は、是非とも現役で合格してください。外科医は1日長時間立ちっぱなしで、同じ姿勢で手術をします。10年くらいが下積みで、40歳ごろからようやく執刀医になれます。しかも、術後患者は急変するので、夜も朝も病院に呼ばれます。QOLは底辺だし、修行期間も長い。再受験生が行くところではありません。
ちなみに整形外科も同じです。外科はどこも、体育系出身で男、若い人が釣り合うところです。
産婦人科は女性にも人気ですが、帝王切開の手術があり、夜中にもお産があるのでQOLは低めです。
循環器内科、消化器内科、呼吸器内科=手技が必要な科
循環器内科=PCI
呼吸器内科=気管支鏡
消化器内科=内視鏡
など、一定期間、数をこなさないと身につかない手技が必須の科があります。気管支鏡や内視鏡は1年経てばこなせるようになる人もいますが、内視鏡を使った癌の治療は、まだまだかかります。そして、3時間程度は立ちっぱなしです。
体力的なことを考えると、30前半までには医学部を卒業したいところです。よって26〜28歳までには合格しましょう。
循環器内科のPCIは立ちっぱなしで、外科に近く、心電図も読めなければいけないのでやはり現役向きです。
患者が急変しまくる血液内科
血液内科は白血病や悪性リンパ腫などを診る科ですが、とにかく患者が急変します。日本は主治医制なので、急変したら病棟に呼ばれます。QOLは低く、なるべく若い年齢、30前半で入りたいところです。
よって28歳くらいまでには医学部合格しましょう。
神経内科、膠原病内科など手技がいらない科
神経内科と膠原病内科は手技はあまり必要ありませんが、神経内科は頭がキレル人が行くところと言われています。神経系は難しいですからね。
膠原病内科も、新しい治療法が次々と出てきて、時代変化が激しい科です。
どちらもやはり、30前半には入りたい科です。
マイナー科は再受験生の第一選択肢
再受験生に人気といえば、やはりマイナー科でしょう。マイナー科でも、眼科と耳鼻咽喉科、皮膚科は手術が必要になります。
皮膚科は女性に人気ですが、専門医取得の条件がなかなか難しく、民間病院では専門医が取れません。
最近の傾向ですが、厚労省が「シーリング 」なるものを打ち出してきて、各都道府県で、専門医を専攻できる人数を制限しています。
精神科は再受験生に最も人気の科ですが、希望者が多く、シーリング 制限があるので、入るのが難しくなっています。
女性で子供が欲しい人
女性は35歳までの出産が安全です。学生中に産むのは、1年遅れかねません。かと言って研修医中に産むのも、業務がきついでしょう。
35歳までには医学部を卒業したいところです。よって29歳までには合格を決めましょう。
やはり早く入った方がいい
色々な条件を見てきましたが、やはり早く合格するにこしたことはありません。社会経験などが最も活かせるのは、精神科でしょう。
しかし、精神科でも40歳までには入りたいところです。よって32歳までには合格できないと難しいでしょう。
夢は持った方がいい。医学部を諦める必要はありません。色んなハンデを覚悟して、再受験に挑みましょう。
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