高階 良子(たかしな りょうこ1946年2月18日 )初期の代表作「リリ」が若木書房の『ゆめ』に掲載されデビューした。『なかよし』に江戸川乱歩原作の『黒とかげ』『血とばらの悪魔』横溝正史原作の『血まみれ観音』などを連載、ジャンルをミステリに移した。
高階先生も江戸川乱歩が好きだったようです。知的な推理の展開と、意外な結末。読んでいるうちにまるで「異次元」にいる気にさせる圧倒的な表現力。
「独特な世界観」に引き込まれる作品は、現代っ子にも大人にも、楽しめるものばかり。是非読んで欲しい。
というわけで、秀逸な作品の中からベスト10をお届けします。
10位 死者の狩人
突然死神の印籠を渡された少女の物語。死神の役目は、命を終えそうな人間にとどめを刺すこと。この役目は次の死神が現れるまでエンドループ。この少女を死神から救い出すことはできるのか?
普通の女子校生がいきなり死神にならざるを得なかったら?怖いですよね。高階ワールドが存分に味わえる作品です。読んだ後、しばらく月が怖くなります。
どうしても死神になりたくて、草刈りのカマを振り回していたら父親に蹴り飛ばされました。痛い記憶です。
9位 赤い沼
「ザクロは血の味 罪の味」
これは「赤い沼」で有名になったフレーズです。赤い沼では鬼子母神の話がザクロと共に書かれています。
鬼子母神とは、自分の子供を養うために、他人の子供を盗っては食べていた女性の話で、怒ったお釈迦様が「もしも子供を食べたくなったら、これを食べなさい」とザクロを渡したことから鬼子母神の象徴としてザクロが使われるようになりました。
これを読んで速攻ザクロを買いにいったのですが、ザクロは普通のスーパーには売ってませんでした。本当に血の味がするのか? まだ食べたことがないので是非食べてみたい一品です。
8位 理科室殺人事件
剥製だらけの地下室で、理事長である父親が殺された少女の学園ミステリー。正直言うと、付録で付いてるもう1話の方が完成度が高いです。
理科室でのトリックは、まぁまぁオーソドックスなものですが、高階先生曰く
「いつも意外な人を犯人にして読者が嘆いたので、いかにも犯人そうな人を犯人にした」のだとか。
いかにも犯人らしい人が犯人です。なので意外性を求める自分には少々もの足りませんでした。
7位 地獄でメスがひかる

地獄でメスがひかる なかよし60周年記念版 (KCデラックス なかよし)
- 作者: 高階良子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/07/03
- メディア: コミック
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これは〜ちょっと怖いです。医者になってから読んでも興味深いテーマ。人間の脳を入れ替えると、思考や感情そのままに他人の美しい顔と身体が手に入るか?というお話。
脳を入れ替えるには、重要な神経経路を丸ごと繋ぎかえる必要があり、数々の至難の技をクリアしなければなりません。しかし、将来はもしかしたら実現するかも?
醜い顔におさらばして美しい顔と体を手に入れた少女は、果たして幸せになれるのでしょうか?続きはコミックでどうぞ。
6位 マジシャン
「マジシャン」は結構有名ですね。元々マジックにも興味があり、Mr.マリックの通信講座とかを受講していたことがあるので これはもう大好物のテーマです。
驚嘆すべきは、事件へのマジックの絡め方が巧妙で、これだけシリーズ化されているのに、よくタネとネタが尽きなかったなぁ というところです。
1話1話の完成度が高く、マジックも楽しめます。マジシャンになりたい人必読。
5位 ピアノソナタ殺人事件
子供の頃ピアノを習っていたこともあり、とても興味深い話でした。ピアノソナタ「葬送」を弾いていた少女が、硫酸のビンを顔に浴びて死んでしまうのです。
これを読んだ後、速攻ショパン「葬送」のピアノピースを買いに行きました。難易度高くて弾けませんでしたが。。低音の方が音叉に反応しやすいって知ってました?
本当に「葬送」が音叉に反応しやすいのか、子供ながらに検証しようと四苦八苦したのも、いい思い出です。
トリックに「音叉」を使うって。すごい発想です。
あまりに辛い目にあったために自分の中に「別人格」を作り出すという「多重人格」の話も絡めており、興味深いサスペンスです。
4位 赤い迷路
これも大好きな作品。「ホラー」「ミステリー」「マジック」とならんで「スパイ」系にも並々ならぬ興味を示していた自分が、赤い迷路を読んで「将来は麻薬Gメン」になるのだと決心した漫画です。なんで医者になったんだろ?
「潜入捜査」+「スナイパー並の銃能力の持ち主」の女の子ってところがキューンとくるうえに、昔流行った「記憶喪失」も盛り込まれてとってもワクワクします。
3位 交換日記殺人事件
スマホもまだない時代。「交換日記」ってもう「胸キャン」のワードだったんですよ。日記に錠がついて、鍵がないと開けられない日記って〜そそられますね♪
「炙り出し」って知ってますか?紙に大根の汁などで文字を書くと、火で炙ると文字が浮かんでくるというトリックです。
これを読んで、速攻大根買いに行って、汁絞って紙に日記書いて火で炙りました。残念ながら、大根汁の文字は炙らなくてもうっすら読めてしまうんですが、それでもワクワクしました。
2位 魔界樹2
「魔界樹」は不思議ワールド炸裂です。よくこんな幻想的な世界が紙に描けるな〜〜(´-`)他では味わえない圧倒的世界観です。
「マンドラゴラ」という植物を熱心に探すきっかけにもなりました。「メキシコ」にも熱い興味を示すように。
マンドラゴラ
古くから薬草として用いられたが、魔術や錬金術の原料として登場する。幻覚、幻聴を伴い時には死に至る神経毒が根に含まれる。
人のように動き引き抜くと悲鳴を上げて、まともに聞いた人間は発狂して死んでしまうという伝説がある。
子供は幻想的な楽器に弱いのですが、「ハープ」を見たのもこの漫画が初めてでした。「ハープ」って見たことないけど弾いてみたい、神秘的な楽器No. 1な気がします。
ちょっと説明が難しいので、この漫画だけは皆さんに是非読んで欲しいです。
1位 魔界樹1
高階良子作品の中でもイチオシする「魔界樹」のストーリー1です。1は2の主人公の親が主役の話で、どうして娘が魔界に行く羽目になってしまったのかが描かれています。
この漫画を読んで「桂の木」を探すようになりました。
植物の絞り汁で絵を描くシーンがとっても気に入ってしまったので、速攻雑草を摘んできて、絞って、絵を描いてみました。雑草の汁は絞るのが難しく、全く上手く描けませんでした。。
魔界樹を読んでから、よく月を眺めるようになりました。満月の日には、何かが起こるんじゃないか、世界が終わるんじゃないかって信じていました。
「魔界樹」を読んだ後は別世界に行ってしまうので、現実離れしたいとき オススメです。
自分の拙い文章でどれくらい高階良子ワールドを伝えられたのか、全く自信はありませんが、サスペンス好きな方なら絶対満足すると思います。読んでみてください♪
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