制作:1991年
制作国:日本
スタッフ
監督:中原俊
脚本:三谷幸喜
キャスト
陪審員12号:加藤善博 ほか
ある陪審審理のために、素性も考えも裁判への意気込みも全く異なる、12人の一般市民が陪審員として会議室に集められた。
評決は全員一致が原則である中、最初の決で12人全員が『無罪』に挙手。呆気なく審議終了・解散となりかけたところ、陪審員2号が「話し合いがしたいんです」と言って意見を『有罪』へと翻す。『良くも悪くも日本人らしい12人』がある男性の死をめぐって事件か事故か、有罪か無罪かで激論を交わす。
●この映画の点数
56点
●この映画に一言
途中の中だるみがなければよかった
初めて三谷監督の映画を観ました。日本にまだ陪審員制度がない時代に、陪審員の舞台裏を描いた映画。
この時代に陪審員にスポットライトを当てたのは、さすが売れっ子監督ですね。
12人の日本人は平均的な人ばかりで、映画の中でも、「ザ・平凡」と拍手したくなるような議論を展開します。
フィナーレに豊川悦司の「俺、弁護士なんだよ」発言から、大どんでん返しの切り口鮮やかな反論が始まって、相川一之の完封負けになるかと思いきや、最後まで凡庸な日本人のもやもやで幕を閉じます。
もっと見ている人を唸らせるような議論の展開が欲しかった。分かりやすいやつ。
切り口鮮やかにも出来たんでしょうが、そこをあえてぼんやりに終始したのは、おそらく三谷監督の狙いでしょうか。
だとしたらすごい才能です。あのくだらない話し合いを約2時間続けても、最後「ほほー」となるのですから。
映画は110分ありますが、初めから終わりまで、会議室の一室だけを舞台に映画が進みます。登場人物も陪審員1〜12番までの12人+警備のおじさん+ピザ配達人。
切り替わらない背景と、もやもやが続く話し合いに、さすがに途中早送りしたくなりました。中だるみですね。これさえなければもっと良かったです。
終盤に展開が早くなり、挽回したので最後まで観られました。
陪審員12号の加藤喜博さんが「愛という名のもとに」のチョロの上司役でいい演技していて好きだったので、加藤さんの若かりし頃の演技をき観られて満足でした。
その後、加藤さんが44歳で自殺されたことを知って「ガビーン」となりました。。。
この映画のハイライトは、「死亡した夫の顔が悪魔のように見えた謎」を、加藤さんが名演技で解説したところです。あのシーンは怖くて背中がゾーっとしました。
若い豊川悦司の演技も立派でした。あえてキャストを豪華にしなかったのが、この映画の良さですね。
特に陪審員制度について考えられさせられることもなく、何が言いたかったのかよくわからない映画でしたが、途中途中は結構楽しめました。
くだらないけどほっとしたい時。または、「こんな人に裁かれるなんて勘弁や〜、でもこんな感じで判決だすんなら、まぁ裁かれてもいいかなぁ〜」となりたい時にオススメです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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